コラム 「男の遺産」 第1話

この間、おばあちゃん(おかんのおかん)が亡くなりました。

岡山に急きょ帰って、通夜と葬式に行きました。

ほとんどおばあちゃん家と連絡してなかったので、この日に知ったことがありました。
いっこ下のいとこ(女の子)が、今年の十一月に結婚する予定だということ。いとこのだんなさんになる人は、長年のサービス業勤務を辞めてて、おばあちゃん家(市川家)の稼業を継ぐことになっていました。

これはかなりの「男の決断」。すでに市川家の一部を、新居として大改造しています。
おばあちゃんよりも先に逝ったおじいちゃんが始めた稼業。岡山の特産物として有名な、ももとかぶどうの生産と販売です。市川家は、ももとかぶどうを実とした金のなる木です(金持ち)。今は倉庫にしまわれていますが、客間に侍の鎧が飾られていた時期があります。
僕のおかんは、三姉妹。おかん以外は市川家の中かすぐそばにずっといます。地域では、市川家に働きにくる人が結構います。それぐらい、市川家はそこら周辺のセンターハウス的な家なんです。

おじいちゃんの稼業を、おかん三姉妹の末っ子のだんなが継いでいます。おじいちゃんを社長として、しっかりと経営の手伝いをしていました。めっちゃしっかり者です。僕なんて、ああはなれないと小さい頃から思っていました。

いとこには二才下の男も一人いるのですが、おじちゃんの稼業を継ぐ気がない。息子とはいえ、なんか押し付けられたような人生がいやだったんでしょう。
そういえば、ピアノや習字、少林寺拳法など、なんか家柄が家柄なだけにやっておかなきゃ的なかんじで、あまり乗り気じゃなかったような・・・。
でも、ようやく継ぐ者が現れました。継ぐ者は、嫁だけじゃなく、おじちゃんにも惚れてたんです。

そういえば、おじいちゃんも、おじちゃんも、かっこいいです。

「仕事」ができ、「人」を養い、「人」に好かれているからです。

背負っているものが多いし、大きいのに、崩壊することがない。

おじいちゃんは、大きくて偉大な「男の遺産」を残したんです。

おじちゃんはおじいちゃんの「男の遺産」を受け継ぎ、伝え、いつかは自分自身の「男の遺産」を残すと思います。

市川家とは違って、僕はデザイン業で、そんなめっちゃかっこいい「男の遺産」を、受け継いだり引き継いだりできる男になりたいな。

誰かがいつか僕ん家を
「華麗なる溝手家」と呼ぶようになったりして。
なんちゃって。

第2話に続く・・・